ボランティアの募集を始めたファームガーデンたそがれの菊地 晃生さんの活動報告をご紹介します。
厳しい寒さが少し緩み晴れ間が見えていたこの数日、午前中は楢沢のりんご農家・高橋登さんのお宅の屋根の雪下ろし&排雪とりんご箱の運搬などを手伝ってきました。
高橋さんは(いやみんなそうだと思いますが)普段から家族以外の方と仕事をすることに不慣れなため、何をどうお願いしたら良いか分からないと、少し困った表情をしていたのですが、「何でもやりますよ!仕事ください!」という元気な学生たちの声に、「じゃあ...」と恐縮するような感じで指示をだしてくれました。
家の前にどっさりと積もった雪の山は、屋根から落としてたまりにたまった塊。しだいに硬くなって、運ぶのが難儀なって、少しずつ片付けながら、そしてまた屋根から雪を降ろす。ということをやっていました。
すぐ横にはなんと、温水シャワーの出るボイラー式の融雪溝。「灯油代かがるがるからそんたに稼働するごどねえけどな」と運転を開始。捨て場の畑は道路を挟んで向かいにあるのですが、除雪車が通ると壁になってしまうので、壁を切り出し排雪口を設営。田舎のほうはこれができるからまだ良いですが、街中は、雪捨て場もなくて本当に困っていることでしょう。
2班に分かれて、もうひとつの班では小屋の中でりんご箱を1階から2階へ。聞いたら、12月の大雪のせいで、まだ果樹園にりんごが埋まっているのだそうです。雪の片付けとりんごの選果や発送。暮らしのテンポをひきづる雪の重みをリアルに体感してきました。
少しずつですが、最初はとまどっていた高橋さんと、除雪部隊との距離感は徐々にメルトダウンしていき、最後には一緒に汗をかいた時間が気持ちよかったと笑顔を見せてくれました。
午後は、今回の農家のアテンドをお願いしている「デリカテッセン紅玉」さんの親子丼。ふわとろ卵が絶妙でめちゃ旨です。
紅玉の高橋基さんがこれまで10年、横手の生産者の方々と親密に関わりあってきた時間があるからこそ、こうしてたくさんのところへとはたらきに行かせてもらうことができています。 「はたらく」とは「ハタを楽にすることが語源になっている」と、基さんからの講義を受け、午後の桃農家・細川農園の細川博之 さんが迎えに来てくれました。
午前中はピーカンでしたが、午後からは着雪する雪が吹雪いてきて、雪に打たれながらの桃の木救助。
細川さんは、りんごやさくらんぼも栽培していますが、これから桃を頑張っていきたいとばきばきに折れたりんごの木を諦め、まずは桃からと懸命に掘り起こしていました。
それでも何本かは主軸から折れていたり、かなりのダメージを受けているようなものもありました。「桃は伐ると枯れるんですよ。持ちこたえたとしても、採れるのは2,3年です。」と やりきれない悲壮感の眼差しをみて、全部掘ると決め、少し日が落ちて来る頃に掘り終えました。
「全部終わると思ってなかった。ありがとうございます!」と言ってもらえましたが、これまで何年もかけて育てた木がもとに戻ることはありません。 そうした雪国の辛抱を各地の方に知っていただくことが大事かもしれないです。
昨日までに全国から90件、80万円にものぼる寄付金をいただいております。 泊まり込みで除雪を手伝ってくれている方々の宿泊費や手間賃、学生たちの食費、道具代などに使わせていただいております。
今日の作業を終えてから参加人数が少人数となるため、一旦今回の体制を解散し、 今回来てくれた学生さんたちを中心に、週末のビッグチームを再編し、ピンポイントでの除雪活動に切り替えていきたいと思いますので、ご理解いただけましたら幸いです。
例年、雪は2月の小正月頃までは降り続くそうです。雪の中での果樹の救助も重要ですが、本当に大変なのは雪が溶けたあとの春だと高橋基さんから聞きました。
少し資金も残っているので、今後も永く継続したつながりを持てるよう、学生メンバーに新体制を考えてもらう方向を考えております。 こちらも合わせてご了承くださいますよう、よろしくお願いします。
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