ボランティアの募集を始めたファームガーデンたそがれの菊地 晃生さんの活動報告をご紹介します。
現場佐藤 正広 さんからの本日の活動写真と報告です。
今日は2班に別れて各班2件ずつの4件まわりました。 緩んできてまじで危険度あがってます。
今朝の時点で氷柱(ツララ)が成長していて宿泊していた湯沢温泉のは2階から床まであと少しでした。
本日中のカンパ受付額が19万5000円となり、合計額が461,000円になりました。皆様からのお気持ちをしかと受け取り、豪雪地に暮らす方々へ還元していきたいです。
現場メンバーはこの額にビビっていますが、もしかしたらボランティアと考えていた作業に従事してくれる方々に労賃を払えることになるかもしれませんし、きっとこのたくさんの方々からの想いを有効に活用できる道があるはずです。
この先もどんな天候になるかわかりませんが、安全第一でできることに尽力していきたいと思います。引き続きカンパでの支援を受け付けてしておりますので、どうぞ引き続きよろしくお願い申し上げます。
明日、1月13日から除雪ボランティアが入ってくれることになります。活動中の事故、怪我に備えて作業に加わっていただく皆様には保険に加入していただきますので、この先の一緒に作業を考えてくれている方は、❶氏名、❷生年月日、❸性別 プラス電話番号をお書き添えの上、菊地までメッセージをお願いします(090-3553-3756)。
その他、たくさんの方々が朝、昼、夕食のまかないヘルプをお申し出てくれているほか、ヘルメットの貸し出し、農家さんからの無農薬リンゴの提供、パン屋さんからのおやつの提供、漁師さんからのお魚の提供などの協賛をいただいております。
「あまりにありがたく、僕らだけでいただくのはもったいない。オフィシャルのボランティアに届けたら?」 という現場からの声も届いておりますが、まずはピンポイントでの体制構築を考えて、あり余ることがあればそうした事にもつなげていけたらと思います。
昨年末から記録的大雪に見舞われている県南地区に除雪の手伝いに行っている友人からのヘルプを受けたのが正月直後。大雨や台風などこれまで経験したことのない自然災害の脅威が今度は大雪となって襲ってきました。
僕ら農家や漁師など普段から自然と向き合う暮らしをしているものにとっても、日に日にその驚異が大きくなっていると感ぜずにはいられないし、この先どんな困難があるのだろうという不安もあります。
雪国に暮らす上で、冬季の暖房費となる灯油代や薪を作るための労力は皆想定している事で、県南地区に至ってはそのほかにも雪下ろしにかかる費用、排雪にかかる労力や費用は、行政予算としてもあらかじめ計上している事です。
しかしながら自然からの産物である雨や雪は時に、暮らしや生きるに突き刺さる自然災害となります。その雪とうまく暮らしを育んで「かまくら」や雪中行事を考えてきた先人の知恵。冬は農作業もできなくなるから手工芸や内業を駆使して暮らしをつないでいこうとしてきた暮らしの術に今なお、学ぶべきことが多いと感じています。
積もれば庭先の雪を払い、必要があれば皆が通る街路を作る。そうした共助の精神が雪国での暮らしと人間関係を豊かに育み、自分にできることは他者の利益にもなることと労を惜しまず助け合って生きてきました。
他方、現代の暮らしはどうでしょうか。 出勤前に自宅前のガレージのの雪を払い、除雪車が通ったあとの雪をなげる最中にも、やれ家の前に雪をおいていっただの、毎日雪が降るから面倒だのとネガティブな声があちこち聞こえてくる。皆で協力して自然と共存した先人の知恵はどこへ行ってしまったのでしょうか。街路は車が通れることが当たり前という発想以前に私たちが暮らしている地球、自然、雪国での身の処し方が試されているような気がします。
大雪が積もった山の地表面では、微生物の活動が保護され、豊かな発酵と熟成のシーンが同時に生まれている。その雪の厚みが深ければ深いほど雪解け後の山菜が豊かに実り、田んぼに使わせていただく水も潤沢に流れる。
冬季に野菜を育てることができないからこそ、降雪前に根菜を掘り上げ、むろを作って雪中保存する技術が身についたし、がっこを生み出したのもこの寒さと自然のなせる技だと思います。
雪が私たちの暮らしを豊かに育み、そこに寄り添って生きてきた先人が生きる術を積み上げてきました。
では、現在の私たちの暮らしは雪とうまく付き合うことができているでしょうか?
その自然の産物を感謝の眼差しで見ることができるでしょうか。
そんな生温いおとぎ話など聞きたくない。という批判を受けるかもしれません。
しかし、僕らは自然という地球のサイクルの上に暮らしている。自然のフラストレーションは僕らの感情と一体だと思うし、彼らの悲鳴は僕らの痛みであるはずです。
雪国ぐらしの農民は、夏場の農作業機の後ろにダンプを装着して率先して街路の雪を払います。そうしないと現代の車社会の暮らしが成り立たないからです(自助)。そのことがわかっているから皆が助け合い協力して地域の雪を除雪します(共助)。じゃあ公助って何?と問いたい。税金を払っているから行政が当たり前にやってくれること、そうした戦後近代化によって肥大化した行政のオペレーションが限界に来ていると感じます。税収は今後減っていく一方です。
未曾有の雪害、記録的大雪、災害級の豪雪に自衛隊の派遣。そんなんで良いんですかね。俺たちが自分で解決しなくて良いんですかね。自分たちの暮らしの課題を。
僕のところはまだ例年並みの降雪量でハウスの雪寄せや毎日の庭先の除雪ぐらいで済んでいます。
県南地区の豪雪は、この豪雪地帯においても過去に体験したことのない大雪だと言います。体験したことのある人たちももはや大高齢で、昔やったことがあるからと屋根に登りたくさんの事故や被害が生まれています。やらなきゃいけないのは、まだ余力ある若い力ではないでしょうか。
自然に学び、自然と歩む。都会では考えられない労苦が雪国にあります。
でもそうした暮らしと向き合う事こそが僕ら東北東の生き様でもあり、豊かな農産物、海産物や文化や人間関係をも生んでいるはずです。
行政機能、除排雪業者がパンクするほどの雪量に知恵とお金と人材を必要としています。お米を食べているとか、野菜を食べたことがあるとか、かまくらを見たことがあるとか、秋田に来たことがあるとか、そういう人たちと共に、これからも続くであろうこの雪国の難題を考えていくことはできないでしょうか。
コロナの影響下ということもあり、県外から作業してくる方を呼び込むこともできません。そのため、県内の学生や時間のある方達に協力を仰いで、除雪体制を組みたいと考えています。
ボランティアでできることの限界を想定しています。雪寄せに来てくれる方への労賃はじめ、食費、宿泊費を皆で負担していただくことはできないでしょうか。
半日雪下ろしをしてみてください。最初は寒いですが、すぐに汗だくになります。外気は零下です。出た汗が凍りつき、すぐさま悪寒に襲われます。昼食は寒空の中で摂ることはできず、いくつもの現場を往来するメンバーにとっては重大チャージの時間です。テントで暖をとって、暖かい食べ物を食べさせたい。宿泊先のビジネスホテルには足を伸ばせるだけの風呂場もない。想像してみてください。薪で沸かした五右衛門風呂に浸かり、労をねぎらい、鍋をつつきあったかつての暮らしを。
柔軟な発想が求められています。既存コミュニティが機能しないならば、新しいコミュニティを作る必要があると思います。夏は田畑で米を作りあい、とれた作物を分かち合い、山から海からの恵は配り合い、冬は雪を愛であい、そうして生きることを分かち合い、暮らし合いい生かし合おうじゃないですか!
この圧倒的な自然と寄り添う必要のある秋田からこそ発信できる、冬の場踊りを共有できたら幸いです。
Comments