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【横手・湯沢 災害級の大雪に僕らができること 14】最終回


ボランティアの募集を始めたファームガーデンたそがれの菊地 晃生さんの活動報告をご紹介します。 


1月9日の呼びかけからここまでの15日間、想像をはるかに超え、99件、82万2500円ものカンパをいただき、まさかのセルフクラウドファンディングの様相となり、当初考えていた私たちの目標は500%達成するに至りました。本当にたくさんの方々からの温かいお気持ちに、深く御礼申し上げます。これほど多くの方が豪雪被害を受けた地域の人を想い、そして結集できたという事に鳥肌が立ち、その思いを背中に背負うことの重責を感じました。収支報告につきましては、中間報告として過去記事に記載しておりますので、どうぞそちらもご覧ください。

屋根の雪下ろしにつきましては、ひと段落がつくところまで来たと言えそうですが、災害級の大雪の被害は想像以上に大きく、現地ではこの先も深手を負った農家の行先に不安が続いてゆきそうです。

そこで、手元に残ったカンパ資金18万8,827円の残金全額を、ここまでの間で構築した活動体制含めて丸ごと、大学生に引き継いでもらうことに決めました。

おそらく、資金提供してくださった皆様からも、この方向性にご了承いただけるものと信じています。

先の呼びかけに手を上げ、現地にかけつけ積極的に関わってくれた秋田県立大学の 田口雄大 君、秋田国際教養大学の赤羽柚美 Yumi Akavane さん、秋田公立美術大学の齋藤涼花 Suzuka Saito さんの3名を核に、主体的に農地での除雪手伝いやその後の農家さんとの関係構築などの活動を展開してもらうことにしました。

先週末の活動後にその方針を固め、今回は3大学の彼らが各々の呼びかけで今回集まったメンバー約15名。

アップルキャンプとして以前から横手の果樹農家との連携体制を図ってきた県立大グループ6名とも現地で合流し、総勢20名を超える人海戦術で果樹園へ向かうことができました。(とにかく人力で雪寄せする他なく、人手が必要です!)

23日に向かった先は Toru Obara さんの営む小原農園のクッキングアップル。聞いたことのないような貴重樹があって、大木は損傷が大きく、まだ傷の浅い若木を中心に雪の重みで沈められた側枝を一本ずつスコップで枝を痛めないように掘り出しました。

小原さんは冬季間、大型機械のオペレーターとして除雪作業に当たっていらっしゃるそうで、「まず幹線道のインフラを整えなければ住民の活動が滞る」と自分の農地は後回しに、折れていくリンゴの木も「為すすべ無し」という気持ちで途方に暮れていたそうです。一人でリンゴの木の救出に向かっても半日で2本から4本。1日中体を動かしたとしても10本も掘ることができません。20名を超える人手で、1日にして1つの圃場のりんごに手をかけられたことは、大きな励みとなったはずです。

<以下小原さんの投稿からの引用です。> "昨日は雪寄せボランティアを企画していただいた菊地晃生さんと娘さん、県立大、AIU、秋田美術大学の学生の皆さん総勢20名にりんご畑の雪掘り作業を手伝っていただきました。 天気も良く作業は非常にはかどりました。多くのりんごの木が助けられました。

二週続けてのボランティア、感謝の気持ちでいっぱいですが、コロナ禍の中来ていただいたという申し訳なさ、そして一人で作業をこなす他の農家の方々に対する申し訳なさなど複雑な気持ちもあります。

りんご産地として横手市が生き残って行くためにどうしたらいいのか、一農家として何がやれるのか答えは出ていませんが、助けていただいたことにただただ感謝し、恩返しが出来るように畑を守りたいと思います。

ボランティアの対応に当たっていただいた全ての方々に感謝申し上げます。本当にありがとうございます!" 引用終わり

私たちの勝手な思い上がりで、ヘルプしているつもりが実は迷惑をかけているんじゃないか、という心配もあったりするので、 こうした感想をいただけることはとてもありがたく、今後、活動を続けていく学生さんたちの大きなモチベーションとなるはずです。

前週に訪れたさとう果樹園の 佐藤和也 さんからもこうした投稿をいただいていました。

<以下佐藤和也さんの投稿より> "1/15 ボランティアの方々が来園

未曾有の豪雪の中、いぶりがっこうの西宮三春さん達とファームガーデンたそがれの菊地晃生さんがリーダーシップをとり、ボランティアを引き連れて来園して下さりました。

今年は積雪が多く、温度が上がって雪が沈むのも早いため、一人では限界を感じていた中、ボランティアの方々の助けは本当に助かりました。

結果、沢山の若い樹が助かりました。

物理的な事、樹が助かることにより、それらにまたりんごが実をつけ、お金になる。もちろん大切なことですが、それ以上の精神的な救いを感じることができました。驚きました。こんなにもあたたかい気持ちになり、救われるのか。

農家を初めて8年目になります。とても短いですがその中でも様々なハイライトがあり、自分の方針が定まっていきましたが、これからの考え方を大きく変わるような出来事、2021豪雪とボランティアの来園を経験しました。これらの出来事はこれからのさとう果樹園にかえがえのないものを与えてくれたと感じています。

いぶりがっこうの村岡さんからも差し入れを頂き、晃生さん率いるボランティアチームを後方から支援してくださっている方々、今回関わる全ての方々に感謝申し上げます。

さとう果樹園は変わっていきます。" 引用終わり

少しもでも現場の体感温度を上げて、豪雪をメルトダウンできたかと思うとやりがいを感じます。

また、昨日24日は大沢地区のぶどう農家・小川ぶどう園の 小川智洋さんのところへぶどう棚の雪下ろしへと向かいました。

小川さんは自らの農園だけでなく、周辺の困っているぶどう農家の力にもなりたいと地域の方々へ声がけし、会館を開放して詰所まで作ってくださいました。

大勢でかけつけることで、受入農家の側にも多大なるご迷惑をおかけしてしまうことにもなると思いますが、こうした体制を作っていただいたことに優しい気持ちをいただき感謝しています。

4班に分かれて4軒のぶどう園のぶどう棚の救出にあたって、聞いたのは「雪解けとともに、木が地面に引っ張られる。雪は上から溶けていくんじゃなく、地面に吸い付けられるように消えていくのだ」 「一人でやったら1ヶ月かかる仕事量をまさかの1日で終えることができた」というお言葉。

頭を抱え込んで体がしだいに重くなって足腰が動かなくなる深雪とのゆきづりの暮らしは今後も営み続けなければなりません。

2011年豪雪のときに新しく植えた木がようやく収穫できるまでに育った矢先にまさかの豪雪。ここで果樹農家を諦めてしまう人も多いんじゃないかという話も聞きました。

私自身、同じ秋田に住みながらも全く知らなかった世界がここにありました。またそこに心を寄せてみることで、生まれてくる人間同士の関係性や人の温もりを、肌で感じることができたのは大いなる収穫だったと思っています。

今回、自らの呼びかけで集まった学生さんたちは、ほぼ県外出身で、雪は見たことしかないというような子もいて、「一生分の雪かきをした」と感嘆したり、「秋田弁って可愛いですね」とか、 ディープな秋田を知る入り口となり得るかもしれません。

あとを引き継いでくれた大学生のみんなには、除雪に限らず 今回の体験を基に、秋田の風土や文化や食や農に触れるような独自の活動へと発展していくことを期待し託します。

今回もまたお菓子の提供をしてくださった薪釜ベーカーかぼちゃの 藤原 暁峰 さん、雪のなかでいただいたふすま粉のクッキーが妙味でした!

お宿と食事を格安で提供してくださったル・カフェ・プランタニエの 近藤 範一さん、夕食のハッシュドビーフと朝食のクロックマダム、めちゃめちゃうまかったです!若い力にとって最高の滋養となりエナジーをいただきました。

お宿と美味しいクラフトドリンクの提供、そして温かく迎えて下さったカモシバの 阿部 円香さん。カンパ資金で購入したスコップと かんじきは寄付させていただきますので、今後良きようにお使いいただけたらと思います。

現地生産者とのリエゾン、学生さんたちの送迎から入浴券までと隅々にまで渡るご配慮をくださったデリカテッセン紅玉の 高橋 基さん。この後の学生主体となる体制のバックアップをお願いします。

休日の急な申し出にも関わらず、迅速な保険対応をしてくださった森谷夫妻。怪我や事故もなくまずは一週終わり安堵しています。

他にもたくさんの方々にご迷惑をおかけしていることと思います。

配慮が足りず、不行き届きの点など多々あるかと思いますが、どうか、今後の学生さんたちの活動を温かく見守っていただき、 豪雪地帯に暮らす人々の力強い生き様に生きる勇気と希望を見出していただけましたら幸いです。

長くなってしまいましたが、今回の活動につきましてこれにて完とさせていただきます。

ここから先は、学生さんたちからのオリジナルな投稿になるかと思いますので、引き続きフォローのほどお願いします。

学生たちの活動につきましては、農家さんや宿泊施設、飲食店さんからもご協力をいただいて、お宿や食事、送迎につきましても破格の対応をしていただいておりますが、除雪後も自立的で持続可能な活動となるよう、彼らへのご支援を引き続きよろしくお願い申し上げます。

団体名での口座開設に時間がかかることもあり、個人名義となってしまいますが、県立大4年生の田口雄大君の空き口座を臨時の窓口とするようですので、もし資金に余力のある方がいらっしゃれば、何卒よろしくお願い申し上げます。

銀行名:楽天銀行 支店名:ギター支店 普通 口座番号: 205337 口座名義:田口雄大

 
 
 

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​募金先

募金先  

秋田銀行

店番:田沢湖支店326 

口座番号:1025512   

ユイ田口雄大

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